引越します

明日、4年10ヶ月ほど住んだ家から引越します。

2018年3月末に進学を機に引っ越してきて、就職後も3年近く住んだ家を立ち去るのでナイーブになっている。家との思い出を書きます。

引越し直後、原付で渋谷に行ったらあまりの交通量に右折を焦って、横断歩行者妨害で反則金を徴収されたことをまず思い出した。これ以降、原付での外出は控える様になった。
学生時代はほとんど出かけることがなく、たまの外出は郵便局か銭湯だった。
家から淡島通りを進み環状七号線をぶっ飛ばし、提出ギリギリの書類を郵便局にぶちこみにいく、三軒茶屋の富士見湯でお風呂に入り、どない屋でふわふわのたこ焼きを買って帰る、などが定番だった。

2019年夏はZACのチーズケーキが気に入って、よく食べに行っていた(このときは2階は喫煙可能だったと思う)。大学がつらく、毎月かつかつなのにメキシコ雑貨屋で木の十字架を3000円出して買ったのを思い出した。特に救いなどは訪れなかった。

2019年秋には散歩が趣味で、毎日10キロほど歩いていた。中目黒のドンキホーテ、下高井戸の月見湯は定番の散歩の目的地だった。

私の部屋には東向きの大きな出窓があり、ウッドウィックの蝋燭が燃えるのをここに座ってじっと見ていたものだ。台風の日は斜向かいの中華料理屋の看板がいまにも外れそうなのをずっと監視したりもした。

大学院卒業まではあまり家にいることがなく思い出はこんなものだ。

2020年に就職してからは生活がかなり楽になったが、メンタルがおしまいだったのであまり記憶がない。このころからよく渋谷で遊んでいた気がする。初夏ごろから出勤となり、高校ぶりに電車移動を毎日するようになった。池ノ上駅を利用するようになってから、駅前のお店をよく利用するようになった。スリーコンカフェのホットドッグが好きだった。あまり回数は行けなかったがトネリコという料理屋が好きだった。お花屋さんが好きだった。

明確にいつからかは覚えていないが、客先常駐の仕事が終わり自社へ出社するようになってから、毎日バスを利用するようになった。この頃から淡島通りが大好きになった。特に松見坂のあたりは気になる店がたくさんあったが、結局どこにも行くことはなかった。もう、この先も行くタイミングはないんだろうなと思うと残念だ。

2022年から現在までずっと在宅勤務で家にいた。植物を買い集めるようになってからベランダにいる時間も増えた。家のとなりの犬のしつけ教室には毎日様々な犬がやってきて、可愛かった。毎日16時ごろ家の周囲を散歩している、歳をとって顔が白くなったフレンチブルドッグが好きだった。夜眠れずに朝になった時は松屋まで歩くのが好きだった。

私の家は交差点にあるので、毎晩信号機の赤・青が壁に反射して眩しかった。秋には街路樹が黄色くなって綺麗だったし、春には家の窓から桜の木が見えて、ベランダに花びらが落ちてきて掃除が大変だった。近所の緑道をなんども走った。友達が中目黒で働いているときはしょっちゅう自転車で遊びに行った。そういえば、三宿の中華料理屋に行きそびれたな。キッチンが廊下から独立してあるのが好きだった。ここでは数えきれないくらいタバコを吸った。すこし長い廊下でよく気絶した。この家にいる時間のうちほとんどは落ち込んでいるか狂っていたけれど、家自体に悪い思い出は全くない。犬が飼育できない以外に引っ越す理由はなにもなく、できればここで犬が飼いたかった。そこそこ便利な場所ではあるが、緑の多い住宅街で、あまり騒がしいようなこともなく、小さな店がたくさんあって大好きだった。もう、この家に入ることはできなくなり、知らない誰かが住むんだと思うと悲しい気持ちになる。